「いざ、鬱蒼たる森へ」

残された家族は、悲しみもつかの間、ある決意をしました。

剣術士が亡くなった翌日から、妻は幼い息子に剣術を叩き込みました。


イメージ 1


妻は、左足が不自由でしたが、夫に恥じない名だたる女剣術士。


イメージ 2


年端も行かない幼い男の子には、一切の手抜きは無く来る日も、来る日も…


イメージ 3


くたくたになっても、朝から日が暮れるまで、息子に手加減なく剣術の稽古をつけました。

そして何年もの歳月が経ちました。


イメージ 4


息子は、剣術を会得して、立派な青年へと成長しました。


イメージ 5


ある日、女剣術士の家に長老がやって来ました。

長老は、再び魔獣が森に現れた事を告げに来たのです。

息子の決意は、すでに固まっていました。
亡き父の、仇を討つために…


イメージ 6


長老「お前にこの剣を授ける」
息子は、2本の東洋刀を受け取りました。

1本は鈍い輝きを放つ、鋭い刃の付いた鉄刀。
もう1本は黄金に輝く、イモムシさえ斬れないなまくら刀。


イメージ 7


長老「黄金の刀は、いつかお前を助けてくれるだろう」
半信半疑ながら、長老の言葉に耳を傾けました。


イメージ 8


村の長老は、いつかの黄金の盃を手にしていました。

長老「これを飲みなさい、守護霊の加護を受けるために」

この盃こそが、この村に伝わるオルニエの秘術を授ける儀式でした。

盃の液体は、もの凄くマズかったが一気に飲み干しました。


イメージ 9


息子「オエーッ!」

しかし何も…全く何も変わらなかった。

息子は女剣術士の母親から、茶色のマントを受けとると、背中に2本の東洋刀を背負い、森へと向かいました。


イメージ 10


息子「待っていろ、魔獣!」



続く